【OSS】気象衛星画像の見方(2)

|
  OSS_bn.jpg


こんにちは、きた@気象予報士です。梅雨の末期にあたり毎年のようにどこかで大雨による災害が起こっていますが、今回の九州北部の大雨は想像を超える規模となりました。特に福岡県朝倉市の雨量の実況は、私も近年記憶にないほどで、相当な被害が容易に想像できました。
大雨の被害に遭われた方、心からお見舞い申し上げます。

また、朝方に島根県西部に出された、”島根県初”の大雨特別警報も、大きなニュースではあるのですが、当該地方在住の方に伺ったところでは、人命・家屋等の被災は少なかった(農地被害が殆ど)とのことで、不幸中の幸いではあったのかもしれません(とはいえ、農家の方のご苦労お察しいたします。)

さて、前回「 気象衛星画像の見方(1) 」では、気象衛星画像で主に公開されている画像には、「可視・
赤外・水蒸気」があるということ、またそれぞれ順に「下層・上層・中~上層」の雲または水蒸気の様子を表していることをお伝えしました。

今回は、前回の画像を使用して、特徴的な雲の見分け方を紹介します。

1)積乱雲
cb.jpg
可視画像の赤丸で囲った部分、可視画像でくっきりと団塊状で、赤外画像でも白く明瞭に見えています。
これは、下層から上層にかけて大きく高く雲が成長している様子で、積乱雲(群)の典型的な写真です。

また、これを撮影したのは朝の時間帯で、可視画像では、高くそびえる積乱雲群から左(西)側に、縁どるような影が見えています。気象衛星が新しくなり、このように雲の影がくっきりと写っている様を見ることが出来るようになりました。

この積乱雲群は梅雨前線に伴っているもので、南からの暖かく湿った気
流によって雲が発達し組織化されたものです。この直下では1時間に50mm以上の”非常に激しい”雨や、80mm以上の”猛烈な”雨が降る恐れがあり、とても危険な雲画像です。

 

2)霧または層雲(下層雲)

fog.gif

日本海中部~北部にかけて、非常に特徴的な雲が出ています。可視画像では明白色で滑らかですが、水蒸気画像・赤外画像では殆ど認められません。これは下層に広がる雲であり、とくにこの画像のように一様に滑らかで、海岸線や山脈に沿うように縁がわりとはっきりと分かるものは、霧に多いものです。


この日は、日本周辺に「海上濃霧警報」が出されていました。

170623-al.jpg
3)中・上層の渦

これは、ちょうど今日の昼の衛星画像です。(左から、赤外/可視/水蒸気)

170714.jpg


北緯30度線上にある、白く明瞭で団塊状の雲域は、日本の東海上にある熱帯低気圧(TD)に伴う雲で、
TDの北側に広がる積乱雲です。
そして、関東の東海上に、何となく円を描くような雲がありますが、水蒸気画像を見ると非常にはっきりと渦巻きが見えます。
これは、大気上層に存在している寒冷渦で、多くの場合可視・赤外画像では渦循環が不明瞭です。

寒冷渦は、上層のトラフ(気圧の谷)が深まり、切り離された冷たい空気が塊となって渦巻いているもので、これらが上空を通過する際には、大気の状態が非常に不安定となって、雷や突風、短時間の強い雨など激しい現象を引き起こす要因となるものです。

ちなみに、今日の地上天気図では、前述のTDは描かれていますが、寒冷渦は見当たりません。
(上層に存在する低気圧なので、地上では表現されていないのです。)


170714-2.gif


この寒冷渦は、300hPa面(およそ高度9,600m前後)の高層気象図でわかりやすく解析されていますが、地上天気図だけではわからないもの
です。

地球の大気のうち、身近な気象現象に直結するのは、わずが10km(1/10未満)ほどの高さですが、その中でも下層~上層まで、さまざまな動きがあるということが、気象衛星画像からも見てとることが出来ますね。

ぜひ、気象庁のホームページなどから、気象衛星画像を見比べてみると・・・、案外おもしろい自由研究ができるかもしれません(^^


奥出雲サイエンススクエアでは、日常の科学分野に関する皆さまふとした疑問に、
スタッフが可能な限りお答えします。
また、この記事などがきっかけで、ぜひ科学分野に興味をもってもらえたらと願いつつ・・・。
なお、記事の内容は、ほとんど担当の記憶で書いていますので、誤りのご指摘や
異なった見解、ご意見ご要望なども、ぜひお待ちしています。 

諸々のあて先は、以下の通りです。
support@okuizumo.ne.jp

では、また次回もお楽しみに___〆(・ェ・^)そほど。

(きた)