秋田さんはすぐにバーガー用のパン(バンズ)の試作に取り組んでくれた。
ただ、こちらはズブの素人。大きさはどのくらい?などの基本的なことすら
明確な答えを持っていない。持っているのは独自のハンバーガーを作りたい
という情熱だけ。県内で手に入るバーガーを研究してやっと大きさを決定する。
と同時にパティの試作にもとりかかる。またソースの試作もだ。
などなどクリアしなければならない課題は山積みだ。あれこれしながらどうにか
開店を迎える。
食事としてのハンバーガーが作りたい。それも毎日食べても安心・安全な素材で。
これがピコピコバーガーの基本コンセプトだ。
実は、開店当初のバンズは今のバンズとはかなり違っていた。
今よりもっとハード系のバンズなのだ。個人的にはとても気に入っていたのだが、
幾度も試行錯誤を重ねて今のバンズに落ち着いた。

パンにはリッチ系(卵・牛乳など配合物が多い)の生地とハード系の生地(水と塩だけなど、
配合物の少ない生地)がある。前者は菓子パンなど向きで、後者は食パンなどの食事向け
のパンである。日本人はパンの柔らかさばかりを追求するあまり、本当の食事向けのパンに
出会う機会が少ない。
食事向きのパンとは、毎日口にするものなので飽きの来ない、あっさりとクセのない味が
求められる。それゆえ粉の風味や口当たり・食感といった細かな部分大切で、
素材の良し悪しや職人の技術・経験がはっきり形になって表れ、つまりはゴマカシがきかない。
また、腹もちの良さも重要だ。ふんわり柔らかなパンでは腹もちが悪い。
しかし、ハード系のパンはご飯と同じように腹もちも良い。

現在ピコピコで使用しているバンズはリッチ系のパンとハード系のパンの中間だ。
10年かかって、少しづつ修正しながら出来上がったものだ。食事向けのパン、
つまりおかずと一緒に食べるパン。甘すぎず、あっさりとして小麦本来の味が
感じられるパン。柔らかすぎず、存在感のあるバンズだ。
世界で一つといっても良いオリジナルのバンズなのだ。









