
こうぼのぱんや『きゅう』の秋田さんとの出会いは平成7年。合併前の横田町時代、
全国からIターンを公募するなかで、秋田さんがこの町を選ばれたことがきっかけだ。
古民家を住まいと定め、住居と隣接する土地にパン工房を新築工事の棟上げに
手伝いにお邪魔したのが始まりだ。その当時はまだ僕はピコピコを始めていない。
やがて、パン工房が完成し、初めて『きゅう』のパンを購入し食べた。そのパンを
食べたときの衝撃は驚きの一言に尽きる。今まで出会ったパンとは全く違うのだ。
目からウロコとはこのことか?と思ったものだ。

おいしいパンの条件は?と聞かれるとほとんどの人がふんわり柔らかなパンを
思い浮かべるだろう。そういえば、昔懐かしいアニメのアルプスの少女ハイジで
柔らかな白パンをおばあさんに食べさせたいとハイジが自分では食べずに保管
していたシーンを思い出す。ところが、秋田さんのパンは違うのだ。“堅い”のだ。
でも堅いのだけどおいしい、今まで食べたどんなパンより味わい深いのだ。
こうぼのパンや『きゅう』のパンは、その名の通り自家製天然酵母で発酵させて
焼きあげている。酵母由来の味もおいしさの要因だ。しかし、それだけでなく、
小麦粉にもこだわっているのだ。小麦粉由来の味、それはパンの味わいの根本だ。
ところが、『きゅう』のパンに出会うまでの僕のパンの味をとらえる指標は、柔らかさと
調味料由来の味であり、パン生地自体の味には無頓着だったのである。
お米の味には敏感な奥出雲の人でもパン本来の味については深く追求した人は
少ないのではないだろうか?
それから3年経った平成10年、不思議な縁でピコピコを経営することになる。
どこにもないハンバーガーを作りたい。そのためには『きゅう』のパンを使いたい。
すぐさま、秋田さんに相談を持ちかけることにした。 続きは次回 お楽しみに・・・
