2013年5月アーカイブ

 八代川を中心に布勢地区の自然を訪ねて歩く、布勢っ子河太郎日記。布勢公民館主催で博物館が協力しています。

 今回は城山を食べる(城山の自然を食べる)会ということで、みんなで城山山頂までハイキングでした。

 博物館の評議員でもある吉川陽一郎先生の指導の元、さまざまな山菜を勉強し採集して採ってもって降りて公民館で調理して食べるわけですが、ちょっと時期も遅く一般的な山菜は結構育ってしまっていましたが、それでも様々な山菜を知ることができました。

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 城山は一部植林されていたり、山頂には様々な放送塔や基地局などがありますが、自然に恵まれている部分も多く様々な山菜や山野草を見ることができます。またまわりの山塊から離れていることあり、眺望に恵まれています。

 

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 眺望が開けている=監視がしやすいもしくは烽火が見えやすいということで、もともとは烽火台としての城が有りそのために「城山(じょうやま)」と呼ばれています。近年山頂付近の皆伐の結果また山菜が出るようになったとのこと。

 ほかにも自生なのかちょっと珍しいヒメシャガも見られます。

 

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 一般的に見られるシャガより小ぶりのきれいな紫色の花が咲きます。

 

 山から下りて布勢公民館へ行くとお父さんお母さん方が準備してくれた山菜の天ぷらや鶏汁が待っていましたので、美味しくいただきました。

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 タラの芽やコシアブラ、ヨモギなどのベーシックなものから、柿の葉やツツジの花、藤の花、といった見慣れたもの、スギナやカラスノエンドウやクズの芽など普段は雑草としてしか扱わないものでも美味しく食べられるということでみんなびっくりしつつも美味しく頂きました。。

 クズの芽は天ぷらにしてどんどん食べれば雑草退治にもなりますので、これについてはあちこちでやってほしいものだと思います。

 

 参加した皆さん、お疲れ様でした。

 

 

 奥出雲町と広島県庄原市の境に位置する猿政山(標高1267m)は出雲地方で最も高い山で、比婆-吾妻山山系でも 立烏帽子(1299m)、池ノ段(1279)につぐ高さです。以前の記事でも述べられているように広島・島根県境付近には河川争奪地形が発達しており、猿政山は北側斜面は特に険しい山容を見せます。山体の中~下部には中生代白亜紀の高田流紋岩類に相当する火砕岩類が露出しており、その上に玄武岩が積み重なっています。この玄武岩(アルカリ玄武岩)は約1000年前(新生代新第三紀中新世後期)の溶岩で、県境付近の他の山(高野毛無山の北ピークおよび猿政山北東方ピーク)にも露出しており、古くはこのあたりに溶岩台地が形成されていました。

 

 猿政山は出雲国風土記では御坂山(御坂山 郡家西南五三里。即、此山有神御門。故、云「御坂」)と呼ばれ、国産みの神のひとりイザナミノミコトが葬られた山という言い伝えが残っており、中腹には「穴命さん」という奥行き1.5mから2mほどのほら穴がお祀りされています。ぱっと見は石の積み重なった隙間の空洞にも見えますが、内部の壁面に黄鉄鉱が晶出しており、岩盤に穿たれた穴であることがわかります。自然のものとも人工的なものともはっきりしない部分もあります。

 

 

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 山頂近くの玄武岩には2種類が確認できますが、登山道では角レキを含む溶岩が見られます。登山道からはずれた北側斜面の1100m近くの場所には柱状節理が発達しており、ここはイザナギ・イザナミの両神が降り立った場所として以前は信仰を集めていました。しかし、たどりつく道が難路であり近年は訪れる人もほとんどいない状態となっています。高さ10m以上ある柱状節理を真下から見上げると、昔の人がここを神域としてあがめた気持ちもわかるような心境になります。

 

 

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 この写真ではスケールがわかりにくいので8年前に撮影した写真をのせます。

 

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 この場所は非常に険しい場所を通っていきますが、サンカヨウがものすごくたくさん自生している場所で、花の最盛期には見事な風景になりそうです。

 

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 博物館では現在、写真パネル展「出雲の石神さま」を行っておりますが、この石神さまを見られる場所を記したマップを作ってみました。

http://www.tanemuseum.jp/gsi20130503172537.zip

 

 博物館のサイトより上記ファイルをダウンロードして、解凍するとkmlファイルが生成されます。

 これをGoogle Earthやカシミール3D、あるいは

 電子国土 http://portal.cyberjapan.jp/site/mapuse4/index.html

 で見ることができます。

 

 

 

 

 博物館の企画展にあわせて2つほど奥出雲町の石神さまを紹介します。

 1つめは、博物館から徒歩2時間程度で登れる「岩伏山」(標高456m)で、山頂のすぐ横には「岩船」と呼ばれる長さ4m幅1.6mの巨大な岩があります。これは神代の昔、スサノオノミコトが乗ってきた埴船が石と化したという伝説が残っているものです。たしかに石の接地面を見ると非常に不安定な状態で、あたかも誰かがこの巨石を持って上がって乗せたようにも思えます。以前は岩船山とよばれ、山頂に岩船神社があって信仰を集めていたそうですが、現在は麓にある神社に合祀されています。山頂は節理が発達した不安定な岩塊からできており、またまわりも切り立っていることから山頂まわりを歩くのはやや危険です。

岩伏山の岩船s .jpg 山頂のすぐ下にある「岩船」

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 岩船の下部。非常に不安定に見える

  

 これらの岩石は約6000万年前の深成岩(黒雲母花崗岩:下久野花崗岩)ですが、花崗岩は節理にそって風化が進みやすいため、風化した部分が徐々に脱落し、硬岩の部分だけが残ったために現在のような不安定な形になったものと考えられます。このような岩塊をコアストーン(風化残留岩)といい、写真のようにコアストーンが重なり合ったものをトアとよびます。

 

 

 このような岩塔はあちこちに見られますが、いかにも不自然に積み上げられたもののように見えることもあり、し ばしば神々のみ為せる技として信仰の対象になっているようです。このような奇異な風景で無くても目立つ石に神が宿ると考える向きは古くからあり、巨石の麓で祭祀を行った遺跡が近年は注目されつつあります。

   

 

 

岩伏山山頂s.jpg

          山頂の権現さん

 

 

 



 

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