ミクロの最近のブログ記事

 今年度さいごの自然クラブです。例年、天気がよれば博物館裏の通称「一畑さん」という山に登るのですが、今年は積雪+当日の悪天候のために断念。急遽別のことを企画しました。毎年、この最後の会は頭を悩ませます。

 タイムリーなことに、霧島新燃岳の噴火で噴出した軽石火山灰を入手していたので、コレを使い、さらに三瓶山の軽石火山灰などを使って火山の噴出物のお話と双眼実体顕微鏡を使った観察、そして鉱物の採集と標本作りまで行いました。

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 おそらくは日本で一番新しい岩石・・・・・軽石です。

 細粒な部分を顕微鏡で見ると

 

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  さて、三瓶山の軽石火山灰(浮布軽石)を水洗いしておいたものを顕微鏡で見ながらつまようじで拾い上げます。

  鉱物分類は今回は簡単にしました。

 

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 黒雲母や磁鉄鉱は形がしっかりしていてすぐにわかるものですが、長石や火山ガラスはなかなかわかりにくく、苦労しました。

 

 霧島の噴火は、島根から見るとはるか遠くのことのようですが、島根県には大田市に三瓶山という火山があり、数万年おきに大きな噴火を繰り返し、奥出雲町に直径が3~4cmの軽石を1mの厚さで積もらせたことがある、ということを考え、またかつて桜島あたりにあった火山から26,000年~23,000年前に噴出した火山灰がやはり20cm以上の厚さで積もっているものが見られるということを考えれば、必ずしも「対岸の火事」で済むというものでもない、というように理解してくれたらなぁ、と思います。

 今年は大雪でしたが、同じくらいの量の軽石が降り積もったと考えてもらうとわかりやすいかもしれません。もっとも、雪は溶けて無くなりますが軽石は・・・・・。

 

 ということで、クラブの皆さん、1年間お疲れ様でした。

 この1年間に学んだことがどこかで生かせる、あるいは興味を持って深く知識を得ようとする姿勢を持ってくれるといいな、と思います。

 

 

 

 

 

 2月3日水曜日、布勢小学校での自然クラブの様子です。

 前回に引き続きミクロの世界をのぞく「ちょっとだけミクロ-その2」なのですが、今回は海の砂を見てみるということで、島根半島の海水浴場の砂を見ます。

 

 「砂を見て何が面白いの?」

 と思う人がいるかもしれません。

 

 

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 島根半島の海水浴場の砂には、普通の岩片や鉱物からなる一般的な砂粒が少ない場合があり、生物遺骸(貝殻やウニのとげ・微小貝など)が非常に多く含まれる砂があります。

 コレを顕微鏡で見ると

 

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 真ん中には、いっけんアンモナイトのような生き物が入っていますが、これは有孔虫(ユウコウチュウ)という生き物の殻です。なかにひとつ巻き貝の殻がありますが、これは大人になってもこの大きさにしか成長しない微小貝(ビショウガイ)の一種です。

 普通の砂は下のような感じです・・・・あまり普通でもないかもしれませんが、琴ヶ浜の鳴き砂です。

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 透明な粒は石英(セキエイ)で、結構丸まっていまする。この砂粒同士がこすれることで「キュッキュッ」という音を出しまする。上の島根半島の砂と様子が全く違うことがわかります。島根半島の砂は「生物遺骸が多い=炭酸カルシウムが多い」ということになり、塩酸などの酸に漬けるとあっという間になくなってしまう場合があり、セメントの骨材としては使えないとのことです。

 

 生き物の殻でできた砂浜でよく知られるのは、沖縄県で見られる「星砂の浜」ですが、これを顕微鏡で見ると

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 つぶつぶの穴の開いた「バキロジプシナ」という有孔虫が非常にたくさん含まれていることがわかります。

 

 作業は、用意した台紙を両面テープでくっつけて、その上に双眼実体顕微鏡で観察しながら拾い出した有孔虫や微小貝を分けて載せていくようにします。

 

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  つまようじの先をちょっとぬらして、一匹一匹拾い出すという作業は忍耐力と集中力が必要ですが、みんな一生懸命、時間がたつのも忘れて標本を作りました。

 

 

 完成品がこちらです。

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 紙の大きさが横6cmたい2.5cmなので、拾い出したものがどれだけ小さい物かよくわかると思います。

 

 クラブの皆さん、よく集中して作業し、きちんとした標本ができました。 

 

 

 

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 

 さて、今年第1回目(通算8回目)の布勢小自然クラブは「ちょっとだけミクロ-その1」ということで、双眼実体顕微鏡を使っての観察を行いました。対象物は砂とか葉っぱとかチリメンとか化石など。 

 双眼実体顕微鏡は、対象物を20倍から40倍に拡大して観察するときに使います。虫メガネでは小さすぎてよくわからないし透過型の顕微鏡では大きくなりすぎてよくわからないといった場合、あるいはプレパラートを作らずに対象物の表面の様子を直接見たいという場合に便利な観察器具です。

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 様々な物をそれぞれがめいめいに色々な物を観察。時には驚きの声が上がったり、アレが見たいコレがみたいと騒ぎになったりと、それでもみんな集中して観察していました。

 

 

  ここでクイズです。次の写真は何の顕微鏡写真でしょう?

 

 

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 正解は、上から順番にササの葉、ツツジの葉、ヒイラギのとげ、松葉の先端、ヨモギの葉の裏です。

 ほとんどの植物が雪に埋もれているので手近な葉っぱで観察してみましたが、それでもなかなかに面白い物が観察できました。

 

  また、現生の生物だけでなく小さな化石の観察も行いました。

 

 

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 上は広島県庄原市の備北層群から見つかる有孔虫オパキュリナの化石(約1800万年前)、下は岡山県新見市の阿哲台の石灰岩から見つかるフズリナの一種の化石(約2億800万年前 )です。

 

 

 次回は、島根半島の海水浴場の砂の中に含まれる有孔虫と微小貝の観察と標本作りを予定しています。