とっておきの不思議なお話 17

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 『 七色の玉のぼうけん 』  S.M

 

ぼくは、夏休みにいつものようにみんなと川で遊んでいた。  

ある日、川で遊んでいたら、つかまえた魚が逃げた。捕まえようとして、川に逃げた魚を追いかけて飛び込んだら、見たこともないキラキラした水の世界が あった。男の子は泣いている女の子に出会った。

「どうして泣いてるの。」

と男の子のたくみは聞いた。

「大事なものがなくなったの。」

と言った。

「大事なものはなんだ。それから君だれ。」

たくみはそう言うと急に立ち上がって小声で言った。

「わたしは『みゆき』、大事なものは、七色の玉だ。」

「それは、どこのへんにあるのかわかるのか。」

「わからない。赤いうずまきにまきこまれて抜け出したら、どこにもなかったの。」

「じゃあ、どのへんいあるのかもわからのじゃあ探しようもないだろ。」

「でも、これならあるよ。」

「なんだ……なんだこれ。」

「七色の玉のある場所を示すものよ。」

「へー。こんな物のあるんだな。さっそく見てみようぜ。」

「うん。あっわかった。ここから1キロ離れたところよ。」

「よし。行くぞ。」

「うん。あ、地図だ。」

「いい物があったな。さっ出発だ。」

「まずは、どうくつがあるみたいね。あった、あれね。」

「よし行こう……。なんか気味が悪いな。」

「なにか出てきそう。」

「あっなにこれ。」

「これは、七色の玉だわ。」

「あっ飛んだ。どこ行くんだよ。」

「どうくつから抜け出したけど、七色の玉はどこ行ったんだろう。」

「地図には、次何があるんだ。」

「えーっと。あっ次は魚の大群みたいよ。」

「えー。魚の大群!?魚がたくさんいたら前が見えないぞ。」

「でも、上の方へ行けば魚にも会わなくてもすむわ。さっ行きましょ。」

「待てよ。オレは飛べないんだぞ。」

「心配しないで。プールと同じように泳げばいいじゃない。」

「あっそうか。えいっ。あっ上に行けそうだ。」

「さっ行きましょ。」

「うわー。上から見たら水族館よりきれいだな。」

「水族館ってなに。」

「知らないの。魚がたくさんできれいなんだぞ。この魚みたいにな。」

「へー。あっ魚の大群から抜け出したわね。次は、大きな魚が待ってるみたい。その大きな魚が七色の玉を持っているのよ。」

「じゃあなんでその大きな魚が七色の玉を持っているんだ。」

「たぶんその大きな魚は七色の玉を守っているのよ。」

「じゃあどうやって取り戻そう。」

「お願いして取り戻しましょう。」  

それから二人は大きな魚のところへ行きました。

「着いたぞ。」

「あれ、大きな魚はサメだとわかったけど、どうして泣いているんだろう。」

「なにか悪いことでもあったのかな。」

「ねえ、サメさんどうしたの。」

「もしかして七色の玉をもらいに来たんだな。」

「ええそうよ。あれは私の玉なの。」

「ああいいとも。持って行け。」

「ありがとう。でもなんで泣いてるの。」

「大事な時計を取られたんだよ。色は金色なんだ。あれは、おれが小さい時に友からもらった大切なものなんだ。でもおれをずーっといじめてきたいやなタコがうばいとって持って行ったんだ。」

「よし、ぼくたちが取り返しに行こう。」

「そうね。玉を返してくれたお礼よ。」

「二人とも、ありがとう。」

「タコはこの先行ったところだ。」

「ありがとう。さあみゆき、行こうぜ。」

二人はタコの所へ行きました。

「着いたぞ。タコはどこだ。」

「んっ。だれだ。今の声は。」

「たくみ、あまり大きな声を出さない方がいいね。」

「ああ。そうみたいだな。」

「あっタコが逃げたわ。」

「今のうちに。……よしっ取り戻した。」

「おい。お前たち、何してる。」

「わっ、見つかった。逃げるぞみゆき。」

「うん、……キャーっ。」

「みゆき、どうした。あっ、タコ、みゆきをはなせ。」

「はなしてほしけりゃその時計を返せ。」

「なぜだ、この時計は、サメのものだぞ。なんでお前なんかにこの時計を返さないといけないんだ。」

「返さないならこの女の子は返さない。」

「じゃあ勝負しろ。」

「じゃああ何で勝負する。お前が決めろ。」

「ん~。じゃあ先に魚を20匹とった方が勝ちだ。どうだやるか。」

「ん~まあいいだろ。」

「オレは、魚を10秒で5ことれる。さあよーい、スタート。」

「よしおれは、足が8本あるからたくさんとれるぞ。」

「よしいま7匹だ。あと13匹だ。」

「えっもう7匹。まだおれは3匹だ。どうしよー。魚がいないぞー。」

「よし20匹とったぞ。」

「負けた。約束通り女の子と時計を返す。あーおれには友だちがいないよ。」

「そうだ、サメの所に行って友だちになってくれるかお願いしてみたら。」

「そうはしたいが、ずっとず~っとサメをいじめてきたんだぞ。むりに決まってるよ。」

「サメくんは、ずっといじめられてきたけど、サメくんは、いじめてないだろ。たぶんサメくんはずっとタコと仲良しでいたかったんだ。だからきっと許してくれるよ。きっと。」

「ああ。信じて頼んでみるよ。」

「あ、ちょっと待って。みゆきを起こしてから行こうよ。」

「うん。」

「みゆき、みゆき。」

「あったくみ。あれタコは。いい子になったよ。」

「ごめんね。つかんだりして。」

「いいのよ。いい子になったんだから。」

「さあ。みゆき、それからタコ、行こう。」

「うん。」

「うん。」

「あの……サメくん。ごめんね、また友だちになってくれるかな。」

「ああ、いいとも。ずっとずっとず~~っと待っていたんだ、そのタコ君の言葉を。」

「ありがとサメくんだいすき。」

「ぼくもだよ。タコくん。」

「さっみんなで仲良くなったところで、帰ろ、みゆき。」

「うん。」

「ありがとう二人とも」

「バイバイ、タコくんとサメくん。」

「元気でね。もうけんかはしないでね。」

「さあ、もう私も帰ろうかな。」

「えっもう帰るの。でも……わかったじゃあまた来るね。」

「うん。また絶対会えるよね。」

「うん。絶対ぜ~ったいね、約束だよ。」

「うん約束だよ。」

「さてと帰ろっと。」

「あっ待って。私の宝物の一つをあげるよ。この石コレクション。」

「うんありがとう。またね。」

「さよーならー。」

「ぷはー。ついた。もうもぐってもあの世界には行けないのかな。」  

それからたくみは、いつもまたあの水の世界に行きたいと思いました。